現合加工がある部品加工

現合がある部品加工が可能ですか？とお問い合わせをいただくことがありました。

現合とは

現合（げんごう）とは、すり合わせの一部です。
複数部品を組み合わせる時に、図面上で正式な寸法（サイズ）や精度（公差）が定められていない場合を指します。

たとえば、
φ３０の孔をもつ部品Ａに対して、φ３０の軸部品Ｂを挿入するとき

部品Aのφ３０の公差を　３０．０００～３０．００５
部品Bのφ３０の公差を　２９．９９０～２９．９９５

と設計すれば最小クリアランス５ミクロン、最大１５ミクロンで組み合わせることが出来ます。

しかし、上記の場合は、部品Ａも部品Ｂともに５ミクロン幅で加工することが求められます。

このような場合に現合を用いると
部品Ａは、大凡φ３０に仕上げておきます。
そして、そのサイズを実測し、φ３０．００８　だったとします。
この実測値φ３０．００８に合わせて　部品Ｂのφ３０部分を　φ２９．９９８～φ３０．００３　程度に仕上げます。
この場合、部品Ａについては、面粗度だけに注意し、大凡φ３０になった段階で加工を終了すればＯＫです。
部品Ｂについては５ミクロン幅の加工精度が求められます。
しかし、５ミクロン幅の加工精度を求められるのは部品Ｂを加工するときの１回のみです。

クリアランスを柔軟に設定できる”現合”

たとえば、部品Ａのφ３０孔と部品Ｂのφ３０軸部のクリアランス（隙間）を５ミクロンとし、スムーズな動きを実現したい場合

部品Ａと部品Ｂに対して共に公差定義を行うと、それぞれが１ミクロン程度の厳しい公差設定となります。
実現不可能ではありませんが、加工費用が高くつきます。

このような場合に、先に部品Ａを仕上て、その実測値にもとづいて、クリアランスが５ミクロンになるように部品Ｂの加工を実施すれば、精密な加工は１回となり、かつ費用を抑えることと、自由なクリアランス設定が可能になります。

言葉で現合を指定することが可能です

当社は、技術職人が毎日のように現合仕上を実施しております。

したがって、
「この孔と軸を、すーーーっと入るようにしてほしい」　とか、
「ラフな動きを実現して欲しい」とか
「嵌めたら外さないので、変形は最小限で組み合わせたい。力はあまり加わらないから変形は押させたい」

とか、

使用勝手に基づいて言葉で指定していただくことも可能です。

スライドする場合は現合が有利

上記のように部品Ｂが部品Ａに差し込まれ左右に動くような場合

上記のように角溝に立方体がはめ込まれスライドする場合

ともに、クリアランス設定により動きが変わってきます。
このようなときに現合仕上を行うことが機械設計上有利です

あらゆる現合仕上に対応します

角形状も丸形状もOK。　
あらゆる場面で「現合仕上」、「現合調整」でとご依頼いただけば対応させていただきます。

現合相手は現物支給でOK

現物を当社に持ち込んでいただければ、その値を測定し（ミクロン単位まで測定可能）、その用途に合わせた部品製作を実施することが可能です。
当社は常に１ミクロン単位のゲージ技術を基本としています。
精密測定室で三次元測定機にて測定することも、ゲージブロックで測定することも可能です。
たしかな測定技術があるから、現合加工が生きてきます。

また、図面が無い場合は、現物を基に測定子、当社設計部門で図面化することが出来ます。

現合品部品の製作で悩んだなら

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