半月キーブロックとは?対称度測定を実現する精密補助具|±0.002の高精度スキミゲージ製作事例

三次元測定機で“測れない溝”を測る—0.01刻み8種セットで実現する間接測定ソリューション


製品仕様(半月キーブロック)

・品名:『半月キーブロック』
・形状:20×13×T4.00~4.07(0.01刻み・全8種)
・仕上:▽▽▽(G)
・材質:SKD11
・表面処理:なし
・熱処理:真空焼入れ HRC62~
・購入品類:なし
・設計:お客様
・個数:1セット(8枚)
・当社製造番号:26-00855


課題:三次元測定機では測れない半月キー溝

三次元測定機(CMM)は高精度測定が可能な一方で、
『狭い溝』『複雑な凹形状』の測定には制約があります。

今回の対象は、半月キー溝。

・溝幅:約4.00~4.07
・溝内部:凹形状
・測定対象:対称度

このような条件では、測定子(スタイラス)が溝内部に入りにくく、
『直接測定が困難』という課題がありました。


解決策:0.01刻みの半月キーブロックによる間接測定

そこで採用されたのが、『半月キーブロック』です。

構造とポイント

・厚み:4.00~4.07を0.01刻みで8種類
・厚み公差:±0.002
・先端:R7.45の凸形状(半月形状)

このブロックを対象の溝に挿入すると、

『溝の凹形状 → ブロックによって凸形状へ変換』

されます。


測定方法:対称度の間接測定

手順

1.8種類の中から最もフィットするブロックを選択
2.半月キー溝に挿入
3.ブロックの両側面を三次元測定機で測定

これにより、

『本来測れない溝内部の対称度を、外形測定として取得』

することが可能になります。


技術的ポイント

① 高精度な厚み管理(±0.002)

0.01刻みで確実にフィットさせるためには、
厚み精度のバラつきが許されません。

→ 研削加工によりミクロン単位で管理


② 凸R形状の高精度加工

先端のR7.45は単なる形状ではなく、
溝との密着性を左右する重要要素です。

→ 均一な当たりを実現し、測定誤差を抑制


③ 用途に最適化されたセット設計

・単品ではなく8枚セット
・0.01刻みの設計

これにより、

『どの溝にも必ずフィットする1枚が存在する』

という設計思想になっています。


加工・製造の工夫

・多品種同時加工として効率化
・SKD11+高硬度(HRC62~)で耐摩耗性確保
・変形リスクを抑えた工程設計

また、小型・薄物製品のため、

『加工中の変形』『保持の難しさ』

にも配慮した工程設計を実施しています。


この事例の価値

この半月キーブロックは単なる治具ではなく、

『測れないものを測れるようにするための設計解決』

です。

・測定不可 → 測定可能へ
・直接測定 → 間接測定へ
・単一ゲージ → セット化による最適選択

という発想転換が、品質保証の精度を大きく高めています。


まとめ

・半月キー溝の対称度測定という難題に対応
・0.01刻み×8種で確実なフィッティング
・±0.002の高精度厚み管理
・三次元測定機での間接測定を実現

『測定できない』を『測定できる』に変えるソリューションとして、
非常に実用性の高い事例です。


FAQ(よくある質問)

Q1.半月キーブロックとは何ですか?
A1.半月キー溝の測定を補助するためのゲージで、溝に挿入して凸形状に変換し、三次元測定機で間接測定を可能にする工具です。

Q2.なぜ0.01刻みで複数枚必要なのですか?
A2.対象となる溝幅に最適な1枚を選定するためです。わずかな差でも測定精度に影響するため、細かい刻みが必要です。

Q3.三次元測定機で直接測定できない理由は何ですか?
A3.溝幅が狭く、測定子(スタイラス)が物理的に入らないためです。また、凹形状では接触点が限定されるため精度が出ません。

Q4.このようなゲージはどのような業界で使われますか?
A4.自動車、精密機械、航空宇宙など、高精度な位置・対称度測定が求められる業界で使用されます。

Q5.1個だけの製作も可能ですか?
A5.はい、1個からでも対応可能です。用途や測定方法に応じて最適な設計をご提案します。


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