便利な道具への向き合い方
便利な道具というものは不思議です。
一度使い始めると、あっという間に手放せなくなります。
だからこそ、新しい便利な道具は、まずは積極的に触ってみることが大切なのだと思っています。
いまから35年くらいまえ、私が社会人になった頃、インターネットはまだ一般的ではありませんでした。
当時は、ホームページを公開しているのはアメリカのNASAや一部の先端的な大学くらい。
ブラウザも『Mosaic(モザイク)』を使っていて、「映った!」「見られた!」と感動したことを今でも覚えています。
もちろん常時接続ではありません。電話回線を使って接続し、インターネットを見るたびに電話をかける時代でした。今風にいうならば、「ギガをつかうために、わざわざ電話してつないでいた」という感じでしょうか。
さらに、東海地方の大手の企業の情報システム関係者が集まり、「これから企業はインターネットをどう活用していくべきか」と真剣に議論していた時代でもあります。私はその場に参加し、自社への導入を進める旗振り役の一人でした。
それから約30年。
今ではどうでしょう。インターネットがない生活は考えられません。
携帯電話、スマートフォン、デジタルカメラ、カーナビ、SNS、音楽サブスク、動画サブスク……。
どれも最初は「新しいもの」でしたが、今では当たり前の存在になっています。
そして、それらを生まれたときから使っている『インターネットネイティブ』『スマホネイティブ』という世代も生まれました。
そう考えると、次は間違いなく『AI』です。
今の新入社員はAIを使い始める世代ですが、約20年後に入社してくる新卒社員は、AIが当たり前に存在する『AIネイティブ』になっているでしょう。
そうなると、「AIを使うか、使わないか」という議論自体がなくなっているかもしれません。
インターネットを、「どうやって使うんだろう」と議論していた私だから分かることがあります。
いま、当社では、AIセミナーなどに社員が参加して、「どうやって使うんだろう」と議論しています。
あのとき、35年前と同じなのです。
大切なのは、肩肘張ってAIを使うことではありません。まずは自然に使ってみること。
便利だと思えば、きっと社会の中で一般化していきます。
ただ、その中でも『使える企業』と『使いこなせる企業』には、確実に差が生まれるはずです。
私は、当社が目指すのは、『AIを使いこなしている会社』だと思っています。
便利な道具を上手に使いこなしながら、お客様への価値をさらに高めていきたいと思います。
(寺西正明)