引退試合
プロ野球を見ていると、シーズンの終盤に、時々「引退試合」があります。
最後にもう一度、
あのユニフォームを着て、
仲間と同じグラウンドに立って、
ファンの前でプレーする。
勝敗だけではない、特別な時間です。
最近、そんなことを考える出来事がありました。
社員さんの一人が、今、病気と闘っています。
彼の願いは、とてもシンプルです。
「もう一度、仕事に戻りたい」
何度か復帰を試みました。
でも、そのたびに体調が悪くなり、思うようにはいきませんでした。
本人が一番悔しいと思います。
私は、なんとかして、もう一度みんなと同じ時間を過ごしてほしいなと思っています。
もちろん、無理はしてほしくない。
健康が最優先です。
会社というのは、単に仕事をする場所ではなくて、長い時間を一緒に過ごした「居場所」でもあると思うのです。
朝の挨拶。
朝、会社でテレビを見ながら飲むコーヒー。
皆で参加する朝礼。
何気ない会話。
仕事中の空気感。
休憩中の雑談。
「お疲れさまでした」と笑顔で帰る一瞬。
そういうもの全部が、その人の人生の一部になっている。
だから私は、プロ野球の引退試合のように、
「もう一度、この会社のみんなと同じ時間を過ごす」
そんな時間を作れたらいいな、と願っています。
たとえ短い時間だったとしても。
きっと、それには大きな意味があると思うのです。
そして、もし実現できたら、
たぶん周りのみんなにとっても、忘れられない時間になる気がしています。
そうなることを、願っています。
(寺西正明)