球面で受ける受け治具
製品をなにかの目的で固定するときに「受け治具」と呼ばれる治具を製作することがあります。
今回は「球面で受ける”受け治具”」のご相談でした。
球面で受けたい（固定したい）
球面を使って、点当りで固定したいというお客様のご依頼。
固定の目的は「測定」でした。
いわゆる「特注ゲージ」の、固定補助具の調達です。
測定以外にも、手入れのため、追加工のため、など、作業を行うために品物を固定したいという状況が考えられます。
最近は、カメラで位置を判定・判断してロボットが作業することも珍しくなくなってきましたが、定められた位置に製品が定置されていることで、便利になることはまだたくさんあります。
穴基準で定置したい
この場合は、穴にピンを入れて固定するなどの方法があります。
単純に、平面プレートにピンを数本立てるだけの簡単な構造で実現可能です。
しかし、ピンと穴の隙間などに注意して設計する必要があります。
また、基準となる穴や副基準となる穴が存在する場合には、平面プレートに設置するピンにも工夫が必要になります。
面取り、もしくはテーパー孔で定置したい
となると、単純なピンで定置することは不可能です。
このような場合は、球面で製品を受けて、定置することが求められます。
上記のように斜線部分が球面形状になっていて、真球度がミクロンレベル、そして、右側の鍔下の軸との同軸度もミクロンレベルにすることにより、複数の球面ピンとの位置関係を担保することが出来ます。
たとえば、球面受け座が３本あり、φ１００ＰＣＤに等間隔で配置されている。そのＰＣＤφ１００を基準に製品を固定（定置）するということが実現できます。
球面受け座の作り方
は、さまざまです。
一体で製作する場合や、摩耗対策のため球面部分を超硬で製作する。あるいは、コーティングを施すなど、沢山の作り方があります。
製品をセットするときに、衝撃が加わる場合は、一体型をお勧めしております。
それは、球面部分が脱落してしまう可能性があるからです。
一度、構想段階で当社にご相談いただければ、一緒に構造や使用材質などを考えさせていただきます。
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