超硬六角スプラインリングゲージ製作事例|摩耗対策に最適な通りゲージ設計と焼嵌め構造

通り側のみ超硬化+焼嵌め接合で耐摩耗性とコストを両立|六角形状測定ゲージの最適解


超硬六角スプラインリングゲージの課題解決事例

本日出荷した製品の中から、六角形状測定に関する課題解決事例をご紹介します。


製品仕様(六角スプラインリングゲージ)

・品名:『超硬六角スプラインリングゲージ』
・形状:φ50ローレットxT20(内径部:6か所溝)
・仕上:▽▽▽(WEDM)
・構造:要部(超硬)+母材(S45C)焼嵌め接合
・材質:超硬+S45C
・表面処理:防錆黒染め
・熱処理:なし
・購入品類:なし
・設計:お客様
・個数:1
・当社製造番号:26-00382


用途|六角形状(非インボリュート)の嵌合検査

本ゲージは、オス側の六角形状を測定するための『通りゲージ』です。

品名には『スプラインゲージ』とありますが、一般的なインボリュートスプラインではなく、

・小径φ18
・6等分(6か所)
・溝幅5±0.005
・溝トップ径φ23.5(0/-0.2)

という形状で、イメージとしては『風車の羽のような構造』になります。


課題|通りゲージ特有の摩耗問題

今回のご依頼は、既存ゲージの再製作でした。

すでに『止まりゲージ』はSKS3で製作済みでしたが、

・通り側は毎回挿入される
・摺動による摩耗が発生する

という理由から、短期間で摩耗が進行していました。

一方で止まり側は、

・基本的に入らない
そのため、
・摺動が発生しにくい

ため、同じ材質でも問題が顕在化しにくいという特徴があります。


解決策|通り側のみ超硬化+複合構造

必要な部分だけ超硬化

摩耗対策として、

『通り側のみ超硬で製作』

する設計を採用しました。

ただし、ゲージ全体を超硬にすると、

・重量増加
・コスト増大

といった課題が発生します。

そこで、

『機能部のみ超硬、その他はS45C』

という複合構造としています。


焼嵌め接合による高信頼構造

超硬部と母材の接合には、

『焼嵌め処理』

を採用しています。

これは、

・加熱・冷却による圧入固定
・機械的な抜けリスクが極めて低い

という特徴があり、

『絶対に外れては困る用途』に適しています。

なお、用途によっては接着構造も選択可能であり、

当社では『使用条件に応じた最適提案』を行っています。


加工技術|WEDMによる高精度溝加工

6か所の溝形状は、

『ワイヤーカット加工(WEDM)』

により創成しています。

これにより、

・高精度な溝幅(±5ミクロン)
・均一な6分割形状

を実現しています。


まとめ|摩耗に悩むゲージは構造で解決できる

ゲージのトラブルで多いのが、

『すぐ摩耗する』
『測定結果が安定しない』

といった問題です。

今回のように、

・使用頻度(通り/止まり)
・接触条件(摺動の有無)

を踏まえて設計することで、

『寿命・精度・コストのバランス最適化』

が可能になります。


FAQ(よくある質問)

Q1.通りゲージと止まりゲージの違いは何ですか?
A1.通りゲージは対象物に通るかどうかを確認するもので、頻繁に挿入されるため摩耗しやすい特徴があります。一方、止まりゲージは入らないことを確認するため、摩耗は比較的少なくなります。

Q2.なぜ通りゲージだけ超硬にするのですか?
A2.通りゲージは毎回摺動が発生するため摩耗しやすく、耐摩耗性の高い超硬材が適しています。一方で全体を超硬にするとコストや重量が増えるため、必要部分のみ採用します。

Q3.焼嵌め処理とは何ですか?
A3.部品を加熱・冷却して寸法差を利用し圧入する接合方法で、強固に固定でき外れるリスクが非常に低いのが特徴です。

Q4.ワイヤーカット加工のメリットは何ですか?
A4.複雑形状や高精度な溝加工が可能で、ミクロン単位の精度管理に適しています。

Q5.六角スプラインのような特殊形状にも対応できますか?
A5.はい、インボリュート以外の特殊形状にも対応可能で、用途に応じた最適な加工方法をご提案します。また、インボリュートスプライン形状にも対応可能です。


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