『高さマスター』とは?2つの高さを1つで校正できる高精度原器|反りを見越した精密研削技術

『3.2±0.003』『18.4±0.003』を1つの原器に集約。反りを予測した加工技術で実現する高精度高さマスターの製作事例


高さマスターの製作仕様

今回ご紹介するのは、自動車部品メーカー様向けに製作した『高さマスター』です。

本製品は、測定機器のキャリブレーション(校正)に使用される原器であり、1つの製品に2種類の高さ基準を持たせることで、測定作業の効率化と省スペース化を実現しています。

製品仕様

項目内容
品名高さマスター
形状20×30×120
材質SKS3
表面処理黒染め防錆(研削面を除く)
熱処理焼入れ・焼戻し・サブゼロ処理(HRC58~63)
仕上面粗度1.6z
設計渡辺精密工業株式会社
数量1個

高さを2種類搭載した特注マスター

本製品には、

・3.2±0.003mm
・18.4±0.003mm

という2つの高さ基準が設けられています。

形状はL字に近い構造となっており、1つの原器だけで2種類の高さ基準を校正できるため、測定作業の効率向上に貢献します。

複数のマスターを用意する必要がなく、現場での取り扱いもシンプルになります。


難しいのは『3.2mm』という薄肉部分

一見すると単純な高さマスターですが、実際の加工難易度は非常に高い製品です。

特に難しいのが『3.2mm』の薄肉部分です。

この部分は厚さ3.2mmでありながら、約20mmの長さがあります。

つまり、厚みに対して約7倍もの長さがあるため、加工中に反りが発生しやすい形状となっています。


精密加工では『反り』を予測することが重要

平面研削加工では、

・研削熱による熱変形
・前加工で残った内部応力
・熱処理による残留応力

などが原因となり、加工途中でわずかな反りが発生します。

この反りを予測せずに加工すると、完成後に高さ寸法が狂ってしまい、公差を満足できません。

そのため当社では、

・加工順序
・研削条件
・送り速度
・切込み量
・砥石の種類

などを製品形状に合わせて最適化し、反りを見越した加工を行っています。

このような加工条件の選択は、長年の経験とノウハウが求められる技術の一つです。


実測値は2ミクロン以内

要求寸法は

・3.2±0.003
・18.4±0.003

ですが、当社の出荷実測値は

・3.202mm
・18.402mm

となり、どちらも目標寸法に対して約2ミクロン以内という高い精度で仕上がりました。

高精度な研削加工と厳密な品質管理によって、お客様に安心してご使用いただける品質を実現しています。


安定性・持ちやすさも考慮した設計

本製品の全長は120mmあります。

これは十分な持ち手部分を確保するためです。

測定時には手で保持して使用するため、

・持ちやすいこと
・安定して保持できること
・測定中に傾きにくいこと

が重要になります。

長さに余裕を持たせることで、測定品質の安定にもつながっています。

また、仕上面の面粗度は『1.6z』としており、安定した測定基準面を確保しています。


高さマスター・原器の設計から製作まで対応します

高さマスターは単純なブロックではありません。

形状や厚み、使用方法によって加工方法は大きく変わります。

特に薄肉形状では、反りを予測した加工技術が品質を左右します。

渡辺精密工業株式会社では、

・高さマスター
・測定原器
・総型ゲージ用原器
・校正マスター
・特殊ゲージ

など、お客様の用途に合わせた特注製作に対応しています。

『高精度な高さマスターを製作したい』『既製品では対応できない原器が必要』という場合は、ぜひお気軽にご相談ください。


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FAQ(よくある質問)

Q1.高さマスターとは何ですか?

A.高さマスターとは、測定器や総型ゲージのゼロ点合わせ(キャリブレーション)に使用する高精度な基準原器です。高さ寸法を正確に保証するために使用されます。

Q2.1つのマスターに複数の高さを持たせることはできますか?

A.可能です。用途に応じて複数の高さ寸法を1つの原器に組み込み、測定効率の向上や省スペース化を実現できます。

Q3.薄い高さマスターはなぜ加工が難しいのですか?

A.薄肉形状は加工熱や熱処理による内部応力で反りが発生しやすく、加工条件や研削方法を適切に管理する高度な技術が必要です。

Q4.高さマスターの精度はどのくらいまで対応できますか?

A.用途や形状にもよりますが、ミクロンレベル(数μm)の寸法精度や平行度・平面度に対応しています。

Q5.特注の高さマスターや測定原器の製作は可能ですか?

A.はい。渡辺精密工業株式会社では、お客様の図面や用途に合わせた高さマスター、測定原器、総型ゲージ用原器などの特注製作に対応しています。


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<金型>
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<部品>
航空宇宙向け部品、産業機械向け部品など

<その他加工>
測定器、専用機、試験機、三次元加工、小穴加工、超硬加工、セラミクス加工、ガラス加工、樹脂加工、鏡面加工、ラップ加工、ラッピング加工、クラウニング加工、特殊プロファイル加工、面粗度加工、ドリル折損除去、試作部品、試験片、引張試験片、ねじり試験片、熱処理試験片、腐食試験片、メッキ試験片、圧縮試験片、校正用マスター、校正基準器、校正器具、点検具、等

<設計>
ゲージ設計、測定治具設計、総型ゲージ設計、総合ゲージ設計、測定ゲージ設計、検査治具設計、機械加工治具設計 、省力化・自動化治具設計

<システム開発>
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