『芯金は作り直さない』という選択。摩耗修理を研削加工だけで解決した精密治具修理事例
硬質クロムメッキによる再生を検討した結果、研削加工のみをご提案。精密治具の摩耗修理でコストと納期を大幅に改善した事例をご紹介します。
製品仕様
今回ご紹介するのは、自動車部品メーカー様よりご依頼いただいた『芯金(摩耗修理)』です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 品名 | 芯金(摩耗修理) |
| 用途 | 製品固定用治具(芯金) |
| 形状 | φ100 × L115.5(4段構造) |
| 材質 | SKS3 |
| 熱処理 | 焼入れ・焼戻し・サブゼロ処理 HRC58~63 |
| 表面処理 | 黒染め防錆 |
| 設計 | お客様 |
| 数量 | 1個 |
| 当社製造番号 | 26-01699 |
今回修理対象となったのは、4段構造のうち『 φ50×L20.5』の部分です。
お客様が抱えていた課題
芯金は長年使用される中で、製品を固定する接触面が少しずつ摩耗していました。
図面では、
・面粗度1.6z
・振れ0.005
・φ22基準で直角度0.01
という精度が要求されています。
今回問題となったのは、軸方向の長さではありません。
摩耗によって段差が発生し、本来の幾何公差を満足できなくなったことが修理の理由でした。
当初は『硬質クロムメッキ修理』を計画
現品を確認した結果、
当社技術営業部では
『硬質クロムメッキによる肉盛り修理』
が可能と判断しました。
修理方法は、
① 摩耗部分を研削加工で平坦化
② 硬質クロムメッキを厚付け
③ 再度研削加工で寸法仕上げ
という一般的な精密修理方法を予定していました。
製造現場から『本当に必要か?』という声
ところが、
製造部へ引き渡した際、加工担当者が図面をもう一度詳細に確認しました。
そこで分かったのは、
『軸方向(丈方向)の寸法には十分な余裕がある』
ということでした。
つまり、
段差だけを除去できれば、機能上まったく問題がないことが判明したのです。
さらに、
硬質クロムメッキを施工しても、摩耗を完全になくすことはできません。
それなら、
『余分な工程を行わない方がお客様のメリットになる』
という結論に至りました。
お客様へ修理方法を変更提案
当社では、
一度決定した加工方法であっても、
より良い方法が見つかれば、
必ずお客様へご相談します。
今回も、
硬質クロムメッキを行わず、
『摩耗による段差だけを研削加工で除去する』
という方法をご提案しました。
結果として、
お客様にもご了承いただき、
最小限の加工だけで修理を完了しました。
修理か再製作かを見極める技術
精密治具では、
摩耗したからといって、
必ずしも新品を製作する必要はありません。
重要なのは、
『どこが機能上重要なのか』
を正しく判断することです。
今回のように、
必要最小限の修理で十分な場合もあります。
逆に、
再製作した方が適しているケースもあります。
当社では、
修理ありきでも、
新品製作ありきでもなく、
お客様にとって最適な方法をご提案しています。
このようなお困りごとはありませんか?
芯金が摩耗してしまった
摩耗状況を確認し、修理・再研削・再製作をご提案します。
硬質クロムメッキ修理が必要か判断できない
機能・公差・使用条件を確認し、最適な修理方法をご提案します。
治具を新品で作るか迷っている
修理可能であれば、コスト・納期を大幅に削減できる場合があります。
焼入れ鋼(SKS3)の修理を依頼したい
焼入れ後の研削加工・修理にも対応しています。
渡辺精密工業株式会社が選ばれる理由
当社では、
精密治具やゲージを数多く製作しています。
そのため、
『どこまで修理できるか』
『どこを修理すべきでないか』
を判断できることも技術力の一つです。
図面どおり加工するだけではなく、
機能・使用条件・コスト・納期まで考慮した最適な修理方法をご提案しています。
まとめ
今回の芯金修理では、当初予定していた硬質クロムメッキを行わず、研削加工だけで修理を完了しました。
これは、製造現場で図面を再確認し、本当に必要な加工だけを見極めた結果です。
渡辺精密工業株式会社では、
修理方法が決まった後でも、より良い方法が見つかれば社内で議論し、お客様へご提案する姿勢を大切にしています。
精密治具の摩耗修理、芯金修理、研削修理、再生加工でお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。
FAQ(よくあるご質問)
Q1. 摩耗した芯金は新品を製作しなければなりませんか?
A. 必ずしも新品製作が必要とは限りません。摩耗部位や機能、公差を確認し、研削修理や部分補修で対応できる場合があります。
Q2. 硬質クロムメッキによる修理はどのような場合に有効ですか?
A. 寸法を回復する必要がある場合や耐摩耗性を向上させたい場合に有効です。ただし、用途によっては研削加工のみで十分なケースもあります。
Q3. SKS3の焼入れ材でも修理できますか?
A. はい。焼入れ・サブゼロ処理後のSKS3でも、研削加工や補修加工に対応しています。
Q4. 精密治具の修理と新品製作はどちらが良いですか?
A. 摩耗状態や要求精度によって異なります。当社では現品確認を行い、コスト・納期・品質を考慮して最適な方法をご提案します。
Q5. 修理方法の提案もお願いできますか?
A. はい。現品確認後、研削修理、硬質クロムメッキ補修、再製作など複数の方法をご提案いたします。
Q6. 修理後も精度は確保できますか?
A. 修理方法によりますが、要求される幾何公差や使用条件を考慮した上で加工・検査を行い、必要な精度を確保します。
Q7. 渡辺精密工業株式会社の強みは何ですか?
A. 『修理すること』ではなく、『お客様にとって最適な解決策を提案すること』です。図面、公差、使用条件を総合的に判断し、不要な加工を省くことで、コストや納期の削減にも貢献しています。
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<金型>
精密金型部品(プレス用、射出成型用など)
<部品>
航空宇宙向け部品、産業機械向け部品など
<その他加工>
測定器、専用機、試験機、三次元加工、小穴加工、超硬加工、セラミクス加工、ガラス加工、樹脂加工、鏡面加工、ラップ加工、ラッピング加工、クラウニング加工、特殊プロファイル加工、面粗度加工、ドリル折損除去、試作部品、試験片、引張試験片、ねじり試験片、熱処理試験片、腐食試験片、メッキ試験片、圧縮試験片、校正用マスター、校正基準器、校正器具、点検具、等
<設計>
ゲージ設計、測定治具設計、総型ゲージ設計、総合ゲージ設計、測定ゲージ設計、検査治具設計、機械加工治具設計 、省力化・自動化治具設計
<システム開発>
C, C#, Python, VBA, WordPress など
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