式年遷宮

とある同業の方とお話をしていたときに、このお話になりました。

「テンプレートの仕事って難しよね?」という会話をしました。
テンプレートというのは、砥石を成型する、砥石の形をつくるための ”ひな形” となるものです。

このような板形状の形をしています。

以前は、砥石を成型するときは、必ずテンプレートを用いていたのですが、NC化が進んだことによりテンプレートを使うことは少なくなりました。というよりも古い機械をお使いのお客様のみテンプレートのご注文(新作、修理)をいただきます。
当社のテンプレート製作例はこちら ==> https://wsl-g.co.jp/products/template/

テンプレートは精度としては最高級の精度で仕上られており、ほとんどの公差が1ミクロンレベルです。
10ミクロン程度のテンプレートは見たことがありません。

真直度、段差、平面度、Rの公差など、すべてが、「ビタビタ」の品物です。

製作することがすごく難しいのです。

当社としては、定期的にテンプレートの新作もしくは修理の仕事をしていたい。
それは、常に社内にテンプレート仕事が流れることにより技術継承をしていきたいからです。

もしも、数年に1回の受注になってしまったら、きっと、出来なくなってしまうと思うのです。

だから、採算よりも、受注して定期的にテンプレートを社内で製作することに主眼を置いています。

という話をしたら、同業者の方が、「伊勢神宮の式年遷宮に似ているね?」と。

そうだ、その通りだと思いました。

宮大工技術を絶やさないようにするために、式年遷宮があります。

テンプレートは当社にとって、「式年遷宮」くらいの重みがあります。

どの業界でも同じようなことがあるのかもしれませんね。

(寺西正明)