奇数歯のスプラインを測りたい
奇数歯用のスプラインゲージのお話です。
当社は愛知県名古屋市にあるゲージ設計製作メーカです。
日本全国、海外を含めて、常に100社以上のお客様に年間3,000アイテムを超えるゲージ、治工具を納入しています。
今回は、奇数歯のスプライン(インボリュートスプライン)を測定する課題です。
偶数歯の場合は、比較的確認が容易です。具体的に説明します。
単側ゲージか総合ゲージか
その前に、単測のスプラインゲージで、GO/NOGOを測定するのか、ダイヤルゲージを用いて定量的に測定するのかで、測定難度が変わります。
左が単測ゲージ(オススプラインゲージ)で、メス形状のスプラインを通止で測定します。
中央が単測ゲージ(メススプラインゲージ)で、オス形状のスプラインを通止で測定します。
右が定量的に測定する組付けゲージで、オス形状のスプラインのOBDもしくはOPDを定量的に測定します。
上記写真の左、中央にある単測ゲージ(スプラインゲージ)の場合は、測定対象が、OK品なのかNG品なのかの判断をすることは簡単に可能なのです。 が、
どれくらいOKなのか、どらくらい悪いのか という 悪さ加減を定量的に数値でとらえようとすると、正直不可能です。
定量的に管理するためには、写真右側のようなダイヤルゲージを備え付けたタイプのゲージが必要になります。
スプライン奇数歯の測定
単測ゲージはGO/NOGOの判断しかできませんので、正直、偶数歯でも奇数歯でも変わりはありません。
熟練の方ならば、スプラインゲージが製品に入っていくときにゲージから伝わる”抵抗感”、”すべり感”を感覚的にとらえて、製品の出来上がり程度を掴むことができるかもしれません。
スプライン奇数歯を定量的に測定する
定量的に(数値で)測定、管理をする場合、奇数歯は測定が難しいです。
一般的には、製品を手に持ち、ピンもしくはボールを歯面に密着させ、その幅をマイクロメータで測定します。OBDとかOPDという数値を測定するということです。
さらに、奇数歯の場合は、180度反対側の対角線上に歯が存在しません。すこしずれたところに存在します。よって、その測定難度は偶数歯に比べても高いのです。
よって、専用ゲージがないと事実上測定できないです。
簡単に誰で測定するために、
このように、測定物を専用ゲージの上に載せて、ダイヤルゲージで測定するゲージが必要となります。
写真左側が可動側(ダイヤルゲージの読み取り側)、写真右側が固定側です。
上記のようなOBDマスター(OPDマスター)をゲージにセットします。左側測定子が固定側なので、マスタを左側に押し当てて、右側測定子をマスターに当てて、ダイヤルゲージの針をゼロにします(ゼロセット)。
そっと、マスターを取り外し、代わりに被測定物をゲージに載せます。そっと、右側の測定子を被測定物に当てて、そのときのダイヤルゲージの目盛りを読み取ります。
(デジタル式ダイヤルゲージを用いれば、データ管理も可能です)
測定はいたって簡単で、一瞬で測定することがでます。誰でも、簡単に、すぐに測ることができるのが特注ゲージの優れたところです。
しかも、繰り返し精度が保たれていますので、測定値の確からしさも確保できます。
スプラインゲージの相談をするには
スプラインゲージを設計製作するために必要なものは
・製品図面または3Dモデル
・測定対象の寸法公差(ピン径、OBD, OPD、モジュールなど)
・測定対象の幾何公差
・どんなイメージで測定するのか。単測か計量管理か?(<-渡辺精密工業でアイディアを出すこと可能です)
・使用頻度や設置場所などの使用環境
・既存もしくは類似ゲージがある場合は、その写真またはスケッチ
です。
あとは、渡辺精密工業(愛知県名古屋市)に相談すればOKです。
いままで蓄積した多くの経験から、最適と思われる提案をいたします。
当社のお客様は北海道から九州、そして海外まで。毎年100社を超えるお客様にゲージ、治工具をお届けしています。
渡辺精密工業の資料をダウンロードするには、こちら(イプロスサイトに移動します)
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