【課題解決事例】マスターリングゲージで海外案件の厳しい幾何公差をクリア

本日出荷したのは、海外に出荷されるマスターリングゲージです。
今回の仕様は非常に厳しく、内径φ50程度で寸法公差±0.003に加え、円筒度0.001、真円度0.001という幾何公差が求められました。材質はSUJ2、サブゼロ処理を施し、HRC60〜62の硬度を確保しています。


温度変化との戦い

鉄は一般的に「1℃で約0.7ミクロン」熱膨張します。
当社の製造用図面には、実際の記録として「2℃で0.0012」の補正値が記載されており、それを踏まえてブロックゲージを組み、温度変化を意識した比較測定を行いました。

つまり、単に高精度の工作機械があれば良いというものではありません。
必要なのは 温度変化を読み切る“職人技”と、それを裏付ける計算式・測定技術 です。


英文図面+海外案件という難題

さらに今回の案件は 英文図面
一般的には読みづらく、ミスを誘発しやすい条件ですが、当社はこれまでにも海外案件を多数手掛けてきました。

アメリカをはじめとする各国で使用されるゲージ・マスターの製作実績があり、代理店ネットワークを通じて安心してご利用いただける体制を整えています。
「海外案件で失敗できない」「現地でNGが出ると困る」といったお客様の声に、確かな品質でお応えします。


渡辺精密工業に任せられる理由

  • 1ミクロン単位の幾何公差に対応できる製造・測定技術
  • 温度変位を踏まえた補正・検証のノウハウ
  • 英文図面を含めた海外案件での豊富な実績
  • 自社工場一貫製作による柔軟な対応力

今回も当社のマスターリングゲージが課題解決につながり、お客様に笑顔をお届けすることができました。


よくあるご質問(FAQ)

Q1. 渡辺精密工業ではどのような課題解決事例がありますか?
A1. 最近の例では、海外に出荷されるマスターリングゲージの案件がありました。内径φ50mm程度で±0.003mmの寸法精度に加え、円筒度0.001mm、真円度0.001mmという極めて厳しい幾何公差を満たす必要がありました。材質はSUJ2、サブゼロ処理後にHRC60–62の硬度が求められる仕様です。英文図面での対応もありましたが、当社独自の測定管理とノウハウにより、課題を解決しました。

Q2. 温度変化による寸法変化にはどう対応していますか?
A2. 鉄は1℃の温度変化でおよそ0.7µm変位(L=100mm)します。当社では製造用図面に「2℃で0.0012mmの変位」といった計算記録を明記し、ブロックゲージを組み合わせた比較測定で温度補正を行っています。単に加工機を持っているだけでは不十分で、温度を読み解く技術と計算式の裏付けが不可欠です。これにより、海外案件でも安定した品質を保証しています。

Q3. 英文図面や海外案件にも対応できますか?
A3. はい、対応可能です。英文図面は表記のクセから見落としや誤解が生じやすいのですが、当社は多くの海外案件を経験しており、翻訳精度や図面の意図を正確に理解して加工・検査を進めています。「海外案件はミスが許されない」という前提のもと、安心してご依頼いただけます。

Q4. どのような公差に対応できますか?
A4. 今回の事例のように真円度・円筒度で1µm(0.001mm)レベルの公差をはじめ、内径・外径・直角度などさまざまな幾何公差に対応可能です。特に「難しい」「他社では断られた」というような仕事こそ、当社に多くご依頼いただいています。

Q5. 渡辺精密工業に依頼するメリットは何ですか?
A5. 自社工場でほぼ全量を製作しているため、試作的なトライや複雑な要求にも柔軟に対応できます。また、日常的に厳しい幾何公差を扱っているため、難易度が高い案件でも「どうにかする力」があるのが強みです。結果として、お客様の「困った」を解決し、信頼につながっています。

Q6. 相談だけでも可能ですか?
A6. もちろんです。「まずは相談」が課題解決の近道です。お困りごとや特殊な要求があれば、ぜひ渡辺精密工業株式会社にご相談ください。


まずはご相談ください

  • 真円度・円筒度など1ミクロンレベルの幾何公差
  • 英文図面対応が必要な海外案件
  • マスターリングゲージ・各種ゲージ・原器・治具

こうした案件でお困りごとがあれば、まずは渡辺精密工業にご相談ください。

当社は品質と信頼を第一に、国内外を問わず高難度の課題を解決してきました。
「難しい」「ややこしい」と言われるような案件こそ、ぜひ当社にお任せください。