マスター、原器、模範の設計・製作が可能です。

■マスターとは

ゲージには大きく2つの分類があります。
1.ゲージそのものが合否判定するもの(例:限界ゲージ、栓ゲージ、リングゲージなど)
2.ゲージにマスターをセットし、マスターと製品を比較し、合否判定するもの
(例:総型ゲージ、総合ゲージなど)

■原器とは

原器はマスターとほぼ同一のものです。英語表記か、日本語表記かの違いです。

模範とは

模範もマスター、原器と同じ意味ですが、”お手本”や”見本”というような意味が含まれて使用されます。

■材質

マスターは被測定物精度の1/10~1/30倍程度厳しめに製作されます。
したがって、経年変化が少なく、耐摩耗性のある材質を用います。
例:SKS3、SUJ2 など
また、熱処理を施すことがほとんどで、硬度はHRC58以上のものであることが多いです

■使い方

ゲージとマスターの一例(設計製作)渡辺精密工業製

写真の上側がゲージ本体、下側がマスター(原器)です。

1.マスターを用意します。

マスター

2.マスターにゲージをセットします。

マスターにゲージをセットした状態

3.ダイヤルゲージの目盛りをゼロセットします

左側がゼロセットする前(針が17付近を指しています)
右側がゼロセットした状態(針が0を指しています)

4.ゲージ本体をマスターから分離します

ダイヤルゲージの針が、でたらめな数字になります。

5.ゲージ本体を被測定物に載せて、そのときのダイヤルゲージ目盛りを読み取ります。
針が示す数値が、マスターとの「差」(狂い)です。
その数値が測定値です。

■特殊なマスター

当社は長さ、角度などに関するマスターの設計製作が可能です。
特殊なマスターとしては「重量マスター」、「重さマスター」、「外観マスター」、「面粗度マスター」の設計製作が可能です。
また、当社製ではありませんが、色模範(色の見本)などがあります。

■マスターの注文方法

(新作の場合)
マスターは単独では用を為しません。
何かと比較することにより意味を持ちます。
したがって、通常は、ゲージ設計製作時に御注文をいただくことが多いです。

(修理、補充の場合)
経年変化や摩耗、紛失などによりマスター(原器、模範)を再製作する必要がある場合は、図面を御支給いただければ製作可能です。
図面がない場合は、被測定物図面とゲージ図面もしくは、ゲージ写真などを基に設計製作することが可能です。

マスターに関する相談はお気軽に ==> https://wsl-g.co.jp/contact/

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